日本語は正しく
「お茶は入りました」。いいねえ、この言い回し。お茶を入れた方は「私がお茶を入れました」などとは言いません。わざわざと自動詞を使って、自分のふるまいであることを次の間に隠しています。「衣錦尚絅」。この慎ましやかさ!コップが割れた!ガラスが割れたなどと言ってひどく叱られたという話を聞いたことがありますが、こちらはコップが自ら割れるわけがありませんから、言い逃れの表現です。それで「コップを割りました」「ガラスを割りました」ときちんと認めた言い方をしなさいと叱ったということです。これは叱る方が立派。
毎朝乗車するJRでは、「車内混み合いまして大変ご迷惑をおかけします。」と車内放送が流れます。実際大変な込みようですけれど、こう言われると混み合わせている自分が悪いような気分になってきます。本来なら、「車内、混み合わせて大変ご迷惑をおかけします」とアナウンスすべきところでしょう。いや、「車内混み合わせて大変ご迷惑をおかけします。当社にとっては喜ばしい限りです」。この方がJRの気持ちを適切に表現しています。こうアナウンスされると正直で微笑ましく、満員電車に笑いが生まれるでしょう。混み合わせてご迷惑をかけているという自覚がおありなら、車輌を長くすればいいのですけれど、それができないというのが実情。競合路線が名古屋方面に控えていますので。ですから、「静岡県の皆様には、豊橋以西のJRの充実のためにご辛抱ください」。この方がもっと正直で誠意にあふれています。一句。「乗客を立たせてうれしいJR とうかい~♪」。日本語は正しく。
« 困ったものです 高校生におばさん方 | トップページ | W杯日本男子の連敗 ルールで負けるアジア »
まだまだ60で、『老いてけぼり』はないでしょう。わたしの父などは76歳になりましたが、90まで生きるつもりでいます。毎日、絵を描いているようです。この前は、市長賞をもらったといって喜んでいました。先生も90まで30年もありますよ。
投稿: 伊藤(山崎)雪絵 | 2011/11/16 午前 08時19分